この記事ではイタリアに住む殆どの日本人が頭を抱える滞在許可証Carta di SoggiornoとPermesso di Soggiornoの違いについて解説します。今後イタリア移住・留学を考えている方、そして既にイタリアに住んでいる方にとっても重要な情報ですので、ぜひチェックしてみてください。
はじめに
イタリアで90日以上滞在するには滞在許可証が必要です。
また、滞在許可証を申請するにはビザが必要となるため、観光ビザ(パスポートのみ)で入国した人は(家族用滞在許可証などの特別なケースを除き)滞在許可証を申請することはできません。
えっ?観光ビザで入国して滞在を延長することはできないんですか⁉
そうねぇ。滞在許可証を申請するにはイタリアにビザを持って入国することが要件のひとつとなっているの。
イタリアの滞在許可証とは?ビザとはどう違うの?
イタリアへ長期間滞在される方(家族用滞在許可証以外)はビザを持って入国する必要があります。
就労ビザ、学生ビザなどでイタリアへ入国した8日以内に【滞在許可証】の申請を行います。したがって、簡単に言うとイタリア入国への第1ステップはビザの取得、そして第2ステップが滞在許可証の取得となります。
主に以下の違いがあります。
- ビザはイタリア入国に必要、滞在許可証はイタリアに住む際に必要となるもの
- ビザはイタリア入国前に取得するもの、滞在許可証はイタリア入国後に取得するもの
- ビザはパスポートに貼られ、滞在許可証はプラスチックのカード型のもの
- ビザは大使館または領事館で申請し、滞在許可証は郵便局、警察署、移民統合局で申請します。
イタリアの滞在許可証:Carta di SoggiornoとPermesso di Soggiornoの違いについて
イタリアで長期間(90日以上)滞在するには必ず滞在許可証が必要です。
滞在許可証は入国から8日以内に申請しなければならないので注意しましょう!
ビザだけではイタリアでは滞在できないんですか?!
多くの国ではビザだけで滞在できるけど、イタリアでは滞在許可証も申請しなければならないの。
なお、基本的に滞在許可証は2種類あります。殆どの人はPermesso di Soggiornoを取得しますが、イタリア国籍者またはEU国籍者の家族はCarta di Soggiornoを取得できます。
これらを日本語ではまとめて滞在許可証と呼ばれ、基本的には同じ役割を持つ許可証です。
つまり、学生、就労者、投資家、経営者等はPermesso di Soggiornoを取得し、イタリア人と結婚された方などはCarta di Soggiornoを取得します。詳しくは以下⬇️⬇️の通りです。
Carta di Soggiornoについて
まず、Carta di Soggiorno(カルタ・ディ・ソッジョルノ)はイタリア国籍者またはEU国籍者の家族用の滞在許可証であり、イタリア語での正式名はCarta di Soggiorno per Motivi Familiariです。
Carta di Soggiornoは通常5年間有効なものが発行されます。
2021年までは紙の許可証だったため少々使いづらかったですが、2022年からは正式にプラスチック型のものが発行されるようになりました。
Permesso di Soggiornoについて
上記以外の滞在許可証をPermesso di Soggiornoと呼びます。
なお、どのPermesso di Soggiornoも同じ形態(カード型)をしており、顔写真・名前・生年月日・Codice Fiscale・発行者などの情報の他、入国した目的も(つばり、取得したビザの種類)記載されています。主に以下の目的があります。
- Motivi Familiari (家族帯同)
- Studio (就学)
- Lav. subordinato (就労)
- Autonomo (就労:自営業者など)
- Casi particolari (就労:現地採用)
- その他
滞在許可証は身分証明書として使える?
ちなみに滞在許可証は法律上、身分証明書として使えないから気を付けてね!
えっ?顔写真や個人情報が載っているのに?
え~!!それは知らなかったです!
でもこの法律はイタリア人でも知らないケースがあるから、滞在許可証が身分証明書として認められることもあるんだよね~
イタリアでの身分証明書
良く勘違いされるのが「滞在許可証」が身分証明書であるということです。残念ながら、法律上、滞在許可証(Permesso di Soggiorno ならびに Carta di Soggiorno)は「イタリアに滞在しても良いですよ」という証明書のようなものです。したがって、滞在許可証を取得していたとしても、本人確認証明書としてはパスポートまたはC.I.(Carta di Identià)のどちらかが必要です。
- IDカード(Carta di Identità ー カルタ・ディ・イデンティタ)
イタリアに2~3年以上の滞在を予定している場合にはIDカードを取得しておいた方がいいかもしれません。(逆に、1~2年の滞在の場合、IDカードまで取得する必要はないかと思います。) - パスポート(Passaporto ー パッサポルト)
IDカードがない場合にはパスポートも問題なく使えます。
ちなみに、IDカードを持っている場合には、IDカードを提出するように求められるケースが多いです。イタリア人は断然IDカード派だと言えます。 - イタリアの免許証
一応、免許証も身分証明書として認められるケースもありますが、提出先によっては免許証はNGということもありますので、ご注意ください。
- 滞在許可証+パスポート
または
- 滞在許可証+C.I.
を携帯することが正しいと言えます。
まとめ
この記事ではイタリアの滞在許可証の基本情報をまとめてみました!いかがでしたでしょうか?
既にイタリアに住んでいる人は分かると思いますが、イタリアでの滞在許可証の手続きは本当に面倒ですし、手続きの準備をしているとき、そして申請中の間もストレスフルです。この件に関しては、また別の記事にまとめたいと思います。
なお、この記事の重要点は以下のとおりです。
- イタリアに住むには滞在許可証は必須!
- 滞在許可証は身分証明書ではない!
- 滞在許可証の手続きは長い!
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ちなみに、イタリア滞在許可証の発給までは平気で6~8カ月掛かることもあるので、あまり気にせず、気長に待ちましょう!また、滞在許可証が発給された際には既に「有効期限が切れていた」ということも稀にあります。
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