率直に言うと、イタリアでの就職は難しいです。
外国人としてイタリアで仕事を探す人はあらゆる壁にに直面することが多いです。
もともと失業率が高いイタリア。イタリア人でも正規雇用を取得することは難しいと言われており、契約社員 (lavoro a tempo determinato) として働き始めることが主流であると言えるレベルです。
また、就職したとしても、基本的にイタリアは他のEU諸国と比べて低賃金であるため、そのお仕事に対するモチベーションもキープし続けることが難しです。もちろん、イタリアで活躍している日本人もいますが、統計的(日本からの赴任者を除く)に見ても定職に付けていない、または安定した仕事を見つけるまで長い期間を必要としたケースが大多数です。
これからイタリア移住を検討されている方は気になる産業の職業事情、給与の平均額などを事前に調べて心の準備をした方が良いかもしれませね!(笑)また、イタリア留学される日本人は「イタリアでバイトをしたい!」と考えるケースは多いですが、イタリアのでのバイトも少々注意しなければなりません。
イタリア:就職への第一歩!
まず、上記でも述べたように、イタリアでの就職は難しい傾向があります。理由はいろいろとありますが、主に以下の点が問題となるケースが多いです。
- 求人を募集している会社はある程度あるが、その業界での経験年数が重視される。
- お給料が低い
- 契約内容が良くない
- 自分の目的・スキルに合ったポジションが見つからない
- 履歴書を送ったのに、返信が一切帰ってこない
- イタリアにはそもそも手軽にできる仕事がない
などなど。
次に、就職活動には欠かせない履歴書の作成も重要となります。履歴書は日本式のものではなく、イタリア、またはヨーロッパで使われているスタイルのものを選択した方がよいです。なお、この際には希望する産業の就職事情、必須要件に関する下調べも事前に行いましょう!
イタリア式の履歴書、就職の必要要件に関してのより細かい説明・アドバイスは次のページにまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。
気になる業界の下調べはどうやってやるのか?
ケースバイケースであらゆる方法がありますが、既にイタリアでのネットワークを持っていない場合、どこから始めてよいのかがわからない場合には、以下の方法を試してください。
イタリアの求人サイトをチェック
イタリアの求人サイトをチェックし気になる業界ではどれくらいの募集があるのか、需要はあるのか、どのようなスキルが求められるのか、給与はどれくないなのかなどの情報をできるだけ多く集めましょう。
主なイタリア求人サイト:
- Indeed: https://it.indeed.com/
- Infojobs: https://www.infojobs.it/
- Jobatus: https://www.jobatus.it/
- Jobsora: https://it.jobsora.com/
- Jooble: https://it.jooble.org/
- Monster: https://www.monster.it/
- Trovo lavoro: https://lavoro.corriere.it/
- Cerco lavoro: https://www.cercolavoro.com/
LinkedInでリサーチ
日本ではあまり馴染みのないLinkedInですが、米国・欧州では大人気のSNSです!LinkedInでは求人をチェックすることのみならず、各業界の人のプロフィールも見られますし、多くのプロフェッショナルとと繋がることもできるため、おすすめです!
また、欧州ではLinkedInのリンクを名刺替わりに使用する人もいるくらい人気であるため、今後イタリアのみならず欧州で就職活動・ビジネス活動を行う際には自身のプロフィールも作成しておくことが望ましいです。
LinkedInのリンクはこちら:https://www.linkedin.com
イタリアに住んでいる日本人に相談してみる
イタリア在住の日本人に就職活動について相談してみるのも重要です。
イタリア駐在員(日本からの派遣社員)としてではなく、個人でイタリアに来ている人の多くはこっちに来てからの就職活動に頭の抱えた人も多いはずです。そんな中、短期間の小さい仕事を取得された方、1~2年間の契約社員または無期限の正式な社員になれた方もいるでしょう。この様な経験を持つ方々の情報は参考になりますし、運がよければその人に就職先を紹介してもらえる可能性もあります。
イタリア人に相談してみる
別の記事にも書きましたが、イタリアは良くも悪くも「コネ社会」です。特に南に行けば行くほどこの傾向が強いと言えます。イタリアで仕事を探すにはネットワーキングも重要なので、直接周りのイタリア人に相談するのもありです。
イタリア企業に履歴書(CV)を送る
気になる求人を発見したら、できるだけ早くCVを送りましょう!イタリア人(イタリア企業)は日本のように二次審査・最終審査などは殆どないです。ですから基本的にはCVを送って「この人いいかも?」って思われたら面接に来るよう返信が帰ってくるでしょう。
CVのテンプレートはこちらからダウンロードできます。
返信が来ない場合には?
履歴書を送ってみましたけど返信はないです!
どうすればいいですか?
凄く気になるポジションに応募したのなら、数日以内に返信がこなかったら1回電話してみてもいいかも!「〇日に履歴書を送ったものですが~」ってね。
でも、不採用の場合には返信が来ないケースも多いからあまり気にせず次に進むことも大事!
面接に呼ばれたら
面接に呼ばれたらまずはその会社のサイトを確認しましょう。その会社がどこに拠点を持つのか、どのような活動をしていて、どのようなニーズがり、自分のスキルがどのように会社に貢献できるのかについて考えましょう。しかし、イタリアの面接は比較的に難しい質問などはされないと思います。私も複数回面接には行きましたが、気軽な面接が多かったと思います。
また、服装については日本のように紺のスーツとかは着なくてもよいですが、できるだけクリーンでスマートな印象を与えられる服装を選びましょう。また、服装はどの業界のどのポジションに応募するかにもよるので、ネットで検索した方がいいかも!
ちなみに、面接はイタリア語でColloquio(コロークィオ)と言います。
面接で話すこと
面接ではまずは会社の紹介 → 自己紹介 → 質問の流れになると思います。なお、面接の時点では以下の点を確認しておきましょう。
- 勤務地
- 勤務時間
- 主な業務内容
しかし問題は、給与に関する質問です。
自身が持っているキャリアなどにもよりますが、基本的に一度目の面接では給与に関する質問は避けた方が無難です。なぜか、一度目の面接で給与に関する質問をされることを好まない人が多い傾向がありますので、特別な理由が無い限り、少々待った方が良いかもしれません。
しかし、1度目の面接で雇用主側から給与のお話が出されたら問題はないです。
その他の気になる点をいくつか質問するのもありですが、あまり質問しすぎるとちょっと「面倒な人」・「神経質な人」と思われる可能性もあります。基本的にイタリア人は何事も曖昧な部分があり、先のことを決めずにフレキシブルにことを進める傾向があるので、そちらに合わすことも重要です。
面接の後は?
面接後はひたすら待つしかありません。数日で返事が来ることもありますが、数週間後、またはその会社の面接を忘れたころに返信が来るケースもあります。(笑)
なお、不採用の場合には基本的に返信は来ないと考えた方がよいです。
また、採用メール・電話の後には契約について話す必要があります。この時点で契約内容について聞いて置くことは重要です。産業にもよりますが、イタリアの労働契約は基本的にCCNL(国内レベルでの労働協約)ベースとなりますので、イタリア企業との雇用契約自体は数ページで収まります。
しかし、採用されたことを伝えられたとしても直ぐに無期限の就労契約を交わせる可能性はごく稀です。
現地採用となると、まずは数カ月間トレーニー(イタリア語でtirocinante)として雇われ、問題が無ければ6カ月間~1年間契約する流れが多いです。
気になるお給料は?
お給料は住んでいる地域によって異なります。南は比較的低く、北は(特にミラノ)は高いと言われています。しかし、イタリアのお給料はフランス・ドイツなど他のEU諸国と比べ低いです。
まず、トレーニーの場合のお給料はとても低いと覚悟しておきましょう。基本的に良くても相場は手取り500~800ユーロです。
また、フルタイムの契約社員の場合、(産業・業界・ポジションにもよりますが)初任給は基本的に手取り1000~1500ユーロぐらいです。ちょっとがっかりしてしまう金額ですが、仕事でスキルアップすることで、その後、自身の契約について上司・雇用主と交渉したり、転職したりなどの方法で年収アップするケースが多いため、まずはこの金額で始めるのも一つの手段です。また、イタリアでは年功序列というものはありますが、雀の涙ほどですので期待してはいけません!
まとめ
この記事ではイタリアで仕事を探す際の重要ポイントと面接前・面接後までの流れをまとめてみました。
ミラノ・ローマ・フィレンツェなどのメインの都市でも好条件の就職先を見つけることは難しく、地域によっては(特に南イタリアなど)就職のハードルが更に高くなることもあります。イタリア人との結婚を理由に移住された方などはある程度、就職探しの期間に余裕を持てる状況下にいるため、焦らず、トライし続けることは重要です(その間にイタリア語や他のスキルも身につけることもできますしね!)。しかし、学生さんの場合、留学資金、今後のキャリアプランなどのことも考えると、大学卒業後にイタリアで就職することに関しては熟考すべきであると思います。
また別の記事では私の実体験についても話してみますね!