この記事では4年間イタリアのボローニャ大学大学院で研究し、勉強し、教授のアシスタントとして培った大学のノウハウなどを紹介します。今後、ボローニャ大学へ留学予定の方、または既にボローニャ大学に留学している方にも有益な情報を紹介します。
イタリアボローニャ大学大学院・法学博士課程を専攻。2016年に無事博士号を取得。ボローニャ大学では複数のキャンパスでセミナー・研究などに参加し、教授のアシスタントとして学生の卒論のサポート、研究のサポートなどを約4年間に渡って行いました。
1. ボローニャ大学の詳細
ボローニャ大学は1088年(日本では平安時代後期となりますね)に設立されたヨーロッパ最古の大学と知られています。特に法学部 (giurisprudenza)・医学部 (medicina)・農学部 (scienze agrarie)が有名です。
また、大学の名前は「ボローニャ大学」ですが、じつはエミリア・ロマーニャ州に5つ、海外にひとつののキャンパスを持ちます。
- Bologna ー ボローニャ・キャンパス
- Forlì ー フォルリ・キャンパス
- Cesena ー チェゼーナ・キャンパス
- Ravenna ー ラヴェンナ・キャンパス
- Rimini ー リミニ・キャンパス
- アルゼンチンキャンパス
アルゼンチン🇦🇷??あの南米の?
そう!小さいキャンパスだけどね!ちなみにアルゼンチンのキャンパスでは基本的に修士号(マスターコース)が多いんだよね。
2. どのキャンパスがおすすめ?
どのキャンパスをオススメするかは断言はしにくいです。今後イタリアで研究する内容、教授、受講するコースなどいろんな要素を把握してから決めるべきですが、強いて言うのなら、メインキャンパスであるボローニャキャンパス (Campus Bologna)をおすすめします。
ボローニャキャンパスをおすすめする理由は主に3つあります。
ボローニャの街は学生の街
まず一つ目の理由は、ボローニャが学生の街であるからです。特にザンボーニ通り (Via Zamboni)には複数の学部が集結しているため、近くのバール・レストランなどには「学割」が適用できる場所もあり、安くて美味しいアペリティーボも多いです。
また、交流会なども毎週あるため、イタリア人の学生や他の国からの留学生と知り合う機会も多いです。
歴史的建造物で勉強ができる
特にザンボーニ通り (Via Zamboni)、またはその周辺の学部の建物は本当に素敵です。授業室の中にはフレスコ画もある部屋も少なくなく、とても珍しい体験ができます。
他のキャンパス(特にチェゼーナとリミニキャンパス)の建物はボローニャキャンパスと比べ比較的に新しいタイプ(1945年代以降)のものが多くこの感動を味わう機会は少ないです。
本・文献が多い
これは特にボローニャ大学へ研究するために来る人にはとても重要です。
基本的にボローニャキャンパスの図書館はとても充実しており、研究資料などの殆どは大学の図書館またはデータベースで見つかると思います。しかし、その他のキャンパスでは、大学の図書館の規模も小さいため、毎回ボローニャから取り寄せのリクエストをしなければならなくとても面倒です。
したがって、ボローニャ大学大学院の修士課程または博士課程に参加を予定している場合、基本的にはボローニャキャンパスがおすすめです。
セミナー・学会など
重要なセミナー・学会などの多くはボローニャキャンパスで実施されます。稀にフォルリキャンパス (Campus Forlì)でもいくつかの面白いセミナーも実施されますが、発表者の有名度・セミナー・学会の規模などを考慮すると圧倒的にボローニャキャンパスに居る方が得であると言えます。
3. 住居・大学の寮について
留学の際にとても気になる(心配な)点はイタリアでの住居だと思います。留学費用に余裕があれば、一部屋まるごと借りれますが、ボローニャでの賃貸費用はちょっと高いです。つまり、多くの学生は大学の寮に入るか、他の人とルームシェアするかの2択が殆どです。
結論から言うと、大学の寮が圧倒的に良いです。ボローニャキャンパスでは学生がとても多いこともらり、複数の寮があります。また、大学の寮は結構人気なため、空きがないこともありますので、寮が多ければ多いほど有利であると言えます。
私は大学の寮と個人で一部屋借りた経験がりますが、各選択肢にメリットとデメリットがあります。
個人でアパートメントを借りる際のメリット・デメリット
メリット
- 自分が好きな部屋を借りれる。
- プライバシーがある。
デメリット
- コストがとにかく高い!
敷金・礼金なども含めると結構な額となります。 - 光熱費は自分で支払わなければならない
- 賃貸借契約書はイタリア語のものであるため、イタリア語を話さないときは不安
大学の寮に入る
メリット
- 大学と連携している期間と契約を結ぶため、イタリア語を話さなくても、個人同士の契約書と比べ、安心してサインできる。
- 光熱費・インターネットなどは毎月の寮の費用に含まれる。
- 契約の際には敷金のみが適用される。
- 暖房、クーラー、ネット接続の問題などが発生した場合、比較的早く対応してくれる。
デメリット
- 人気な寮は直ぐに埋まってしまうため、空きがでるまで待っていなければならない。
- 規則がいくつかある。(例えば、来客は全員夜の12時までには寮を出なければならないなど)
ボローニャ大学近辺の寮に関しては大学のページまたはEr.Goのページを確認することをお勧めします。(Er.Goのページはこちら:https://www.er-go.it/index.php?id=6799 )また、直接大学のInternational Relations Officeに聞いてみても良いかと思います。
4. 大学サイドのサポートについて
ボローニャ大学はイタリアを代表する大学とも言われており、学生数もとても多いです。なんと2021年度には9万人以上もの学生が登録しています。その中の7千人以上が海外留学生です。
私の場合、滞在許可証の申請と銀行口座の開設(UNICREDIT銀行)は全てボローニャ大学のInternational Relations Officeにサポートしてもらいました。サポート内容はとてもシンプルでしたが、当時はイタリア語も分からず、英語でのサポートは助かりました。
サポート内容
- 申請フォームへの記入
- 郵便局での滞在許可証の申請
- 銀行口座開設のための書類(研究員としてのFellowshipの支払いに関する書類でした)