この記事ではイタリア人の同僚との働き方のコツ・コミュニケーションの取り方に関するアドバイスをまとめたものです。イタリア駐在員の人、イタリアで就職された人、イタリアで就職活動中の人に向けた内容となっています。
はじめに
当たり前のことですが、忘れてはいかないのはここは日本ではなくイタリアということです。つまり、日本での常識・習慣などはイタリアに該当しないということもあります。日本のスタンスでイタリア人の同僚、上司、部下に接してまうとギクシャクしてしまう可能性もあるため、少し考え方を変える必要があるかもしれません。
コンフォート・ゾーンから抜け出し、新しい環境で働くことで、プロフェッショナルとして成長する機会です。イタリアで働き始めのころは不安が多いこともありますが、「イタリアのスタンス」を理解することで、すれ違いのストレスなどは軽減できるはずです。
初級編:イタリア企業ではじめてのお仕事
研修について
イタリア企業に勤め始める多くの人が最初に直面する壁は「研修」です。研修はイタリア語でFormazione (フォルマツィオーネ)と言います。
日本の企業(特に大手)の研修はグローバルレベルでもとても、細かくかつ濃い内容で、新人の研修期間も長いとされています。(約2.5カ月~3カ月)
でも、イタリア企業での新人研修は、結構アバウトで短いです。(もちろん、例外はあります。機械の使用・運転などが必要となる場合など)この点でつまずく人(日本人)は少なくないと思います。
えっ?会社の先輩は教えてくれないんですか⁉
ん~どちらかというと「聞いたら教える」感じかな。だからわからないことがあったらばんばん聞いた方が良いよ。
やはり、入社直後には右も左もわからない状態だと思いますし、そもそも自分の母国語でない言語で働くことはハードルが高いですよね。
ですから、イタリアで働く際には最初にちゃんとした研修は受けられないと考え、会社の上司、先輩、同僚などに積極的に質問しましょう!多くのイタリア人はおしゃべりが好きなこともあるので、仕事をするための知識を得るためではなく、スキンシップの一部としても重要です。
イタリア語問題
外資系企業に働く場合でも、会社はイタリアにあるため、イタリア人従業員が多いケースが殆どだと思います。また、イタリアでは大手企業はそれほどなく、主に家族経営の中小企業が多いです。この様な環境ではやはり「イタリア語」がメインの言語となってしまいます。
既にイタリア語で流暢に話せれば問題はないですが、少ししか話せない場合にはコミュニケーションが思うように取れないかもしれません。「私は英語が話せるから大丈夫」って思っている人は要注意です!業務内容がすべて英語である場合でも、社内でのコミュニケーション、特に雑談などはイタリア語で話します。
英語ができたとしても、会社に馴染むにはどうしてもイタリア語は必須!
「私は英語ができるから大丈夫」なんて甘えてたらだめですよ!
Pausa Caffè ・コーヒータイム
イタリアのコーヒーブレイクはPausa Caffè(パウザ・カフェ)と言います。個人差・地域差はありますが、ローマから北では基本的に1日に2回コーヒーブレイクがあります(午前中に1回と午後にもう1回)。
コーヒーブレイクに初めて誘われたら一緒に行きましょう!最初の期間は仕事をしている最中でも、一旦保留し、積極的にコーヒーブレイクに参加すべきです。
でも僕、コーヒー苦手なんです、、
全然大丈夫!コーヒーが苦手でも紅茶とかでもOKだよ!
重要なのは誘われたら参加すること!
このコーヒータイムは5分~15分程度ですが、イタリア人にとってはリフレッシュするための重要な時間です。会社の噂なども聞ける貴重な時間とも言えます。
中級編
職場の空気
日本とは異なり、イタリアではあまり先輩・後輩の文化はないので、同僚とは最初からフランクに接した方が良いです。そもそもイタリア語は日本語ほど複雑な言語ではなく、丁寧語を話すにはシンプルに「Tu」の代わりに「Lei」を使うだけでOKなので、あまり神経質に考える必要はありません。同年代の同僚の場合には最初から「Tu」で問題ないですし、歳が離れた同僚に「Tu」で話しかけにくい場合には「Lei」を使っても大丈夫。でも、通常は「Dammi del tu」(「Tu」で話しても良いよ)って答えられると思いますよ!
でもイタリア人上司にはどうでしょう?「Tu」それとも「Lei」を使うべきでしょうか?
最も良い流れは、まずは「Lei」を使用して、空気を伺い、「Dammi del tu」って返されたら、「Tu」を使用しても問題ないですが、何も言われない場合には「Lei」を使い続けた方が良いでしょう。
でも、歳が近い上司とは殆ど「Tu」を使用することが一般的です。
ちなみに、私は上司との年齢差が25歳以上もあるので、常に「Lei」使っています。
上記でもわかるように、イタリアの職場の空気は基本的にフランクで、上下関係が激しいことはあまりないと言えます。
上級編
イタリア企業での残業
日本と比べ、イタリア企業では残業はとても少ないです。
イタリア語で残業は「lavoro straordinario」(発音:ラヴォーロ・ストラオルディナーリオ)と言います。
日本人にとってはは「残業は当たり前」、「上司より先には帰れない」などが常識という方は多いですが、イタリア人にとっては違います。基本的に残業はどうしても必要な時にだけすることであり、常に残業することはどちらかというとネガティブにとらえられる可能性があります。
イタリア企業での殆どが定時で帰るか定時を過ぎてから約10分~25分以内に帰宅します。
まとめ
イタリア人スタッフとのコミュニケーションに関するアドバイスをまとめてみました。いかがでしたか?まだまだ、いくつかのアドバイスもありますので、この記事は徐々に更新していくつもりですので、お楽しみに!
イタリアでは労働法に関する規則はとても厳しいので基本的にはホワイト企業が多い感覚です。(特に北イタリアの地域)(イタリア労働法に関する法律はこちら:https://www.governo.it/it/costituzione-italiana/parte-prima-diritti-e-doveri-dei-cittadini/titolo-iii-rapporti-economici/2850)
海外で働くことは文化的な違い、常識の違いなどでスムーズにいかないこともありますが、「働く環境」観点からみるとイタリアで働くことはそんなに悪くないと思います。コンフォート・ゾーンから抜け出し、新しい環境で働くことで、プロフェッショナルレベルで成長しましょう!
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